地域別最低賃金で働いた場合の実質的な収入が生活保護給付水準より低くなる「逆転」状態が11都道府県で生じ、2012年度の最低賃金引き上げ実施後より5府県増えたことが22日、分かった。13年度の改定額を議論する中央最低賃金審議会の小委員会に厚生労働省が示した。
生活保護費のうち、家賃などの住宅扶助費が増えたことや社会保険料の引き上げで働く人の手取り収入が減ったことが影響した。逆転は12年度の最低賃金引き上げで11都道府県から6都道府県に減ったが、最新のデータでは改定前に逆戻りした。最低賃金の収入の方が低いと労働者や保護受給者の働く意欲をそぐとの批判があり、政府は賃金底上げで早期解消を目指す。8月から実施される生活保護の支給基準引き下げが今後の調査に反映されると、逆転解消は進みそうだ。
新たに逆転が判明したのは青森、埼玉、千葉、京都、兵庫の5府県。北海道、宮城、東京、神奈川、大阪、広島と合わせ、計11都道府県になった。