最優秀賞に「デコ車」 岡本太郎現代芸術賞決まる

岡本太郎の精神を継承し、自由な視点と発想で現代社会に鋭いメッセ-ジを突きつける芸術家を顕彰する「第18回岡本太郎現代芸術賞」(TARO賞)が2日 発表され、最優秀の岡本太郎賞に男性2人組のユニット「Yotta(ヨタ)」(大阪府)が選ばれた。岡本敏子賞には久松知子さん(23)=山形県=を選 出。入選作品を展示する企画展は3日~4月12日、川崎市岡本太郎美術館(多摩区)で開かれる。
同美術館と岡本太郎記念現代芸術振興財団の主催。今回は672点の応募から27組が入選。そのうち太郎賞(賞金200万円)、敏子賞(同100万円)、特別賞(同総額50万円)4点が選ばれた。
Yottaの「金時」は、デコレーションを施した焼き芋販売車。電飾や車体に描かれた絵はもちろん、焼き芋の釜まで自作した。おいしいサツマイモや焼き方まで研究し、昨年から都内で販売している。
久松さんの「レペゼン
日本の美術」は、歴代の日本の美術家や美術批評家の肖像を描いた巨大な絵画。歴史を乗り越え、新しい世界を創造するため「現代の日本の美術を埋葬する」をテーマにした。
かわさき宙と緑の科学館(同区)で行われた授賞式で、Yottaの木崎公隆さん(35)は「受賞できてほっとした」、山脇弘道さん(31)は「飽きられる まで路上で焼き芋を売り続けたい」。久松さんは「さまざまな美術界の巨匠を引用した作品。受賞はとてもうれしいが、恐れ多くもあります」と語った。
企画展では作品の人気投票や入選作家によるトークショーが行われる。金時の展示は土日祝日のみで、焼き芋の販売もある。
午前9時半~午後5時で、入場料は一般600円、高校・大学生と65歳以上は400円。問い合わせは、同美術館電話044(900)9898。

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