最北の「海の駅」順風 稚内に寄港続々「うれしい誤算」

【宮永敏明】ヨットやプレジャーボートなどが気軽に立ち寄れるように整備された「海の駅」。4月末、日本最北の「海の駅」が稚内港(北海道稚内市)にオープンし、道外や海外から予想を上回る寄港が続いている。市は昨年春、港に近いJR稚内駅周辺を再開発して「道の駅わっかない」に登録していて、海と陸の相乗効果に期待している。
■こんなに来るとは 「正直言って、こんなに来るとは思わなかった。うれしい誤算です」と笑うのは、同市の枡田紀行港湾課長。これまで同港に立ち寄るヨットなどめったになく、2007年以降の6年間で計22隻。最も少ない11年はわずか2隻だった。
 ところが、市が4月末、「海の駅」として稚内港第1副港西側(1隻)と第2副港北側(5隻)にビジターのヨットなどが接岸できる岸壁を設けたところ、7月末までの3カ月間に18隻が入港し、過去5年分の入港数17隻を超えた。
 利用第1号は、アラスカへ向かう途中で5月18日に寄港したニュージーランド船籍のヨットだった。6月に入ると続々と入港。ほとんどが日本海を北上して利尻・礼文島を訪れ、稚内港で一息入れてオホーツク海へ抜ける船だが、中には宗谷海峡を越えてロシア・サハリン州に渡る前後に立ち寄ったモーターボートもあった。
 7月初めから2週間、愛艇の「ツヨカタ」と停泊した千葉市の古賀道明さん(62)は「インターネットで『海の駅』に登録されたのを知って入港したが、広くて立派な港ですね」と気に入った様子。航海は常に1人だが、いったん帰宅して妻の幸子さん(59)を連れて戻り、船を拠点に2人で最北観光を楽しんだ。

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