最大手「すき家」が7%上乗せ開始…「牛丼チェーン」の深夜料金は定番化の兆し

大手牛丼チェーンのすき家が今月3日から導入した深夜料金。午後10時から翌午前5時までの注文には、深夜料金の7%が上乗せされることとなった。

 深夜料金導入の背景には、飲食業界の人手不足と最低賃金の引き上げなどによる人件費の高騰がある。午後10時から午前5時までは1時間あたり25%の割増賃金とすることが法律で決められているため、深夜営業はただでさえ人件費がかかる。日刊ゲンダイの取材に対し、すき家の広報室は「原材料費、人件費、光熱費の上昇といった観点から検討を重ね、深夜料金を導入しました。深夜営業は確かに負担が大きいですが、食のインフラとして、いつでもどんな方でも利用していただける利便性を確保していきたいと考えています」と回答した。

 同業他社の深夜料金導入はあるのか。日刊ゲンダイの取材に対し、吉野家は「現時点で深夜料金を実施している店舗はありません。今後につきましては、回答を控えさせていただければと思います」。松屋は「いつでも食べられるということを維持するためにも、お客さまのニーズを考慮し、今後検討を続けていく」と回答した。

 外食ジャーナリストの中村芳平氏はこう言う。

「深夜営業には、確実なマーケットがあります。夜間に働く人々にとって、深夜に営業している飲食店は貴重な居場所で、食のインフラとしての社会的意義がある。また、訪日外国人客は夜間にも活発に出歩くため、インバウンド需要もある。深夜営業を維持するためにも、深夜料金を設定することは理にかなっています。それに、業界最大手のすき家が先陣を切ったことで、同業他社も追従しやすくなったはず。少なくとも、牛丼チェーン店については、深夜料金の導入は進むのではないでしょうか」

 夜でも開いている店はありがたい。それを維持するための負担は仕方がないのかもしれない。

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