宮城県は、県津波対策ガイドラインをソフト面から見直すことを決め、学識経験者や関係機関でつくる津波対策連絡協議会を9日、仙台市青葉区で開いた。見直し作業は年度内に終え、沿岸市町による津波避難計画の策定に生かしてもらう。
見直しでは、(1)最大クラスの津波浸水を想定した避難計画の策定(2)消防団員ら避難誘導従事者の安全確保(3)住民の率先避難を促す啓発と防災教育(4)車避難についての地域での合意形成(5)要援護者の避難支援計画と体制の確立-などの観点を盛り込む。
協議会の下部組織として設置する検討部会で議論を深める。協議会長の今村文彦東北大災害科学国際研究所副所長は「ガイドラインのどこが不十分だったかを検証し、被災した市町の経験や教訓を反映させたい」と述べた。
ガイドラインは2003年に策定した。県は12年3月、避難路や避難ビルといった施設整備部分のハード面の見直し作業を終え、新たな指針をまとめている。