最大級の津波想定、ハザードマップ改訂 名取市 沿岸15市町で初

宮城県名取市は26日、津波と洪水・土砂災害それぞれのハザードマップを改訂したと発表した。県が5月に公表した最大級の津波浸水想定を踏まえた見直しで、沿岸15市町では初めて。

月内に市民配布

 マップはA1判サイズの蛇腹折りで、広げると市全域のリスクが分かる。改訂した防災マニュアルとともに月内に市民に配布する。

 津波用は2年前の震災被害に基づくマップを更新した。最大級の浸水面積が3050ヘクタールと震災を13%上回るのを踏まえ、大津波警報時の避難指示は閖上・下増田地区全域に増田、館腰の一部地区を加えた。

避難場所2カ所使用停止

 大津波警報時の緊急避難場所のうち、平屋の館腰公民館と本郷集会所を使用停止とした。復興事業で海抜5メートルまでかさ上げしながら最大5メートル浸水する閖上地区では、閖上公民館の避難先を「1、2階と屋上」から「屋上のみ」、閖上小中学校は「2階以上」から「3階以上」に変えた。沿岸部の収容人数は5337人と約800人減った。

 山田司郎市長は「改定後も緊急避難先の収容人数は確保できている。市民に迅速な避難を呼びかけるとともに、ハード面の対策も検討したい」と話した。

 震災による市民の犠牲者は923人に上った。

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