最近よく聞く加齢臭のもと「ノネナール」って何だ?

 ダラダラと汗が滴る夏のこの時期といえば、体臭が最も気になる季節でもある。中でもアラフォー世代の男性は、自覚症状があるかどうかは別として、あの悪名高い「加齢臭」を放つ可能性があるので厄介。例え、バリバリと仕事をこなすために体を動かした副産物であっても、加齢臭を放った瞬間「オヤジ臭っ!」と、周囲から距離を置かれてしまう危険すら秘めているので注意が必要だ。
 実際、@DIMEが行なった30代男性へのニオイの聞き取り調査では、
「酒を飲んでジワっと汗をかいてから帰宅した時、愛娘に『臭い!』と言われ、逃げられました。かなりショックでした……」(39歳、印刷会社勤務)
「うわぁ~、枕からおじさんの臭いが漂ってる!と、嫌そうな顔した彼女に指摘されました……」(31歳、広告代理店勤務)
という厳しい現実に直面した悲しい声があがっている。
 また、大手製薬会社のロート製薬が30~69歳男性4874名を対象に行なったアンケート調査では、「自分のニオイを気にしていますか?」という問いに対して約65%の人が気にしていると回答。多くの男性が体臭を気にしているのがわかる。これを読んでいる人の中にも同じようなニオイの悩みを持つ方も少なくないはずだ。
 それにしても相当なイメージ破壊力を持つ加齢臭だが、実はこれには原因成分の名称がある。その名はノネナールといい、加齢臭=ノネナールとして最近、さまざまなメディアに取り上げられている注目の成分だ。
 このノネナールは、皮脂腺から発生する皮脂に含まれる物質で、皮脂成分のひとつであるパルミトレイン酸が酸化することで生成される。パルミトレイン酸を含む皮脂の量が、一般的に、若い頃には少ないが、アラフォー世代から男女問わず増加するといわれているのだ。
 ノネナールの厄介なところは、そのなんともいえないオヤジ臭というか、脂臭というか、とにかく気に障るぐらい臭いというところは当然なのだが、なんと恐ろしいことに水に溶けにくく肌にこびりつきやすい性質を持っている。そのため、シャワーを浴びて汗を流す程度では全然、ニオイが落ちない。さすが加齢臭、なかなかの強者である。
 そのため、毎日のお風呂では、毛穴に詰まりまくっている汚れをしっかりと落とすイメージで洗う習慣を身つけるのがベスト。なかでも耳の裏やえり足、首の後ろ、肩、背中が特に出やすい部分と言われているため、これらの部分を手抜きせずに入念に洗うのがポイントだ。
 また最近では、加齢臭=ノネナールに焦点を絞り開発されたクレンジングウォッシュも登場。ロート製薬が今春発売した『デ・オウ』は、ニオイの原因菌を除去する殺菌有効成分に加えて、イオンポリマー(粘度調整剤)と薬用炭(吸着剤)を配合しており、これらが水に溶けにくく肌にこびりつきやすいノネナールをしっかり剥がし落として洗浄してくれる今までになかったニオイケア商品だという。毎日使う全身用クレンジングウォッシュをこういったノネナールの撃退に役立つアイテムに変えるのも有効だ。
 それにしてもロート製薬はなぜ、ノネナールに着目して商品を開発したのか、担当者に話を聞いてみると、
「私もアラフォー世代なんですが、小学2年生になる娘に『パパの部屋、変なニオイがする』って言われショックを受けたことがあったんです……。そんな話を社内でしていたら、他のアラフォー世代の社員も同じようにニオイに関する悲惨なエピソードを持っていました。『枕がすごく臭い!』とか『この臭いニオイは洗っても全然落ちない!』とか、家族にきつく言われたりして。加齢臭ひとつで父親としての威厳すらなくなる感じがして肩身が狭い思いをしていたんですよね(笑)。ニオイについて予想以上に話が盛り上がり、本当に僕ら世代が必要としている商品は、加齢臭対策に役立つニオイケア商品なんだ! という結論に達したというわけなんです」(ロート製薬・マーケティング部・墨田康男さん)
 同社のアラフォー世代の社員も同じように加齢臭について悩みを抱えていたというわけだ!これは一刻も早く加齢臭=ノネナールを効果的に撃退して、アラフォー世代の肩身の狭さを解放すべきではないだろうか!?
(文/小櫃 謙)

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