月給80万円超 原発20キロ圏内 作業員に応募殺到

<背景に“法外ピンハネ”業者の存在も>
「1日4時間の仕事で日給2万6000円」――。破格の求人広告が求職者の間で話題沸騰、全国から応募が殺到する騒ぎになっている。
 時給6500円、月収にして80万円超と売れっ子キャバ嬢並みの高額報酬だが、実はこれ、福島第1原発の周辺20キロ圏内で、ガレキの仕分けや撤去をする作業員の募集広告だ。この求人情報を出したのは、人材派遣会社「カインズサービス」(群馬県富岡市)。地元情報誌に9月19日から定員200人(寮無料、労災完備)で募ったところ、「おれにもやらせろ!」と希望者が殺到。わずか2日間で定員オーバーになったという。
 この不況下でこれほど稼げる仕事も珍しいとはいえ、20キロ圏内は立ち入りが禁止された“放射能危険地帯”だ。どんな人が応募してくるのか。カインズサービスの担当者はこう話す。
「募集締め切り後も応募が殺到し、詳しい集計はできていませんが、独身、妻子持ちを問わず、幅広い年齢層から応募があります。もっとも、面接のための交通費を支給できるわけではないため、遠方の方はお断りしています。また、募集要項では35~70歳と記載しましたが、健康への影響を考え、なるべく若い人の採用は断っているのが実情です。この仕事は2カ月間しか働けない決まりなので、期限がきたら200人を総入れ替えします。今から『2カ月後に採用して欲しい』という希望者もいるほどです」
 この大人気のウラには、業界にはびこる法外な“ピンハネ事情”もあるという。内情を知る関係者は、「よそではこんなにもらえない」と、こう証言する。
「20キロ圏内どころか原発敷地内でガレキを撤去する作業員でも、日給1万5000円前後といった募集がザラの世界です。悪徳中間業者がゴッソリ抜いているんですよ。東電から1日5万円が支払われているはずなのに、下請け会社からは1万8000円しか出ないと訴え出た原発作業員もいた。今回は良心的なケースだったので、応募が殺到するのは当然でしょう」
 高給を求めて、アナタも参加しますか……。

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