■13年ぶり新規参入、音声通話は来春から
携帯電話業界で13年ぶりの新規参入業者となるイー・モバイル(東京)が31日午前、東京23区や大阪、京都、愛知の各府県の中心部でデータ通信サービスを開始、主要量販店を通じて端末を発売した。
「3.5世代」と呼ばれる高速通信に対応し、来年3月には音声通話も始める予定。PHS以外では、月額5980円で使い放題とする初の定額料金制を売り物に、NTTドコモ、KDDI(au)など携帯、PHS大手4社の寡占体制を崩す構えだ。
基本ソフト「ウィンドウズ」搭載の多機能端末や、パソコンに差し込んで使う通信カードを発売。他社から契約変更した場合、通信カード代を1円とし、親会社イー・アクセスの非対称デジタル加入者線(ADSL)とのセット割引もある。
契約期間が長いほど端末代を安くする初の価格体系も採用。契約件数は、初年度30万件、3年後に約250万件が目標だ。
サービス地域は今後、都市部の郊外、主要地方都市へ拡大する計画だが、他の携帯各社は「まだエリアが狭いため(自社への)影響は限定的」(幹部)と静観。音声通話では、ドコモの全国の通信網を利用することから、画期的な低料金の設定は難しい、との見方もある。
携帯各社は、端末やコンテンツ(情報の内容)をめぐり競争しており、エリア拡充や新鮮なサービスをいかに打ち出すか、経営手腕が試されている。
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