米Adobe Systemsは7月25日(現地時間)、「Flash」の開発および提供を2020年末に終了すると発表した。
「AdobeはFlashの終末(end-of-life)を計画している。具体的には、Flash Playerのアップデートと提供を2020年末に停止する。コンテンツ製作者に対し、それまでに既存のFlashコンテンツを新しいオープンフォーマット(HTML5やWebGLなど)に移植するよう推奨していく」としている。
Flash終了に当たっては、Apple、Facebook、Google、Microsoft、Mozilla(リンク先は各企業の公式ブログ)を含む技術パートナーと協力しているという。
Appleの故スティーブ・ジョブズ氏は2010年、「Flashはクローズドでセキュリティ上の問題も多い」と批判し、まずiPhoneでの採用をやめている。
MozillaのFirefox、GoogleのChromeブラウザ、MicrosoftのEdgeはそれぞれ、2015年あるいは2016年からFlashのブロックを開始している。
1996年に「Macromedia Flash」として登場したこの技術は、画像や音声を使ったコンテンツを作成するための規格で、コンテンツ製作アプリの名称でもあった。Flashで作成したコンテンツを再生するにはFlash Playerを使う。アプリ名としての「Adobe Flash」は、アプリがFlash以外の技術もサポートするようになったこともあり、2015年に「Adobe Animate」に変更されている。
Flashは長くWebコンテンツ必須の技術として使われていたが、HTML5やWebGLなどのオープンな規格で機能を代替できるようになるにつれ、ブラウザ企業が離れていった。脆弱性が多いことも問題視されている。
2020年末までは、脆弱性の対処および現在サポートしているOSとブラウザのサポートを継続する。
Adobeは、Adobe Animateや「Premiere Pro」などの「最高のツールやサービスのデザイナーや開発者への提供を続け、今後もすばらしいWebコンテンツの創造をサポートしていく」としている。