東日本大震災の震源域で震度1以上を観測した有感地震回数が4日、2011年3月11日午後2時46分発生の本震(最大震度7)と余震を合わせて1万回を超えた。同日午後0時28分ごろ、石巻市で震度5強を観測した地震は9999回目の有感地震だった。余震は減少傾向にあるが、揺れは小さくても津波が発生する場合も想定され、気象庁は警戒を呼び掛けている。
◎津波、今後も注意 気象庁
気象庁によると、1万回目の有感地震は4日午後0時32分ごろに発生した。東北地方を中心に震度5強~1を観測し、地震規模がマグニチュード(M)6.0と推定される地震の直後だった。震源地は宮城県沖、震源の深さは約60キロ。規模はM4.2と推定される。宮城県涌谷町、女川町などで最大震度2だった。
有感地震の月別推移はグラフの通り。11年3月の2942回をピークに減少し、ここ1年は70~150で推移している。
この間、最大震度が5弱以上の強い揺れを観測したのは64回。内訳は震度7が本震の1回で、6強が11年3月11日と11年4月7日の2回だった。6弱が11年4月11、12日の2回。5強は14回、5弱は45回となっている。
本震での大津波警報に加え、7回は津波警報・注意報が発表された。うち11年7月10日、12年3月14日、12月7日の3回は実際に津波を観測した。
震災の余震域は、青森県から千葉県の房総半島沖にかけての海域を中心に、南北約600キロ、東西約350キロの広範囲に及ぶ。
震源が海域の場合は地震規模の割に揺れは強くならないが、M7.3で震度5弱だった12年12月7日のように津波に注意が必要となる。逆に震源が陸域の地震は、規模は小さくても揺れが大きくなる可能性がある。
仙台管区気象台の吉川一光地震情報官は「揺れを感じたらまず海から逃げる。収まっても油断せず、津波注意報や警報の発令中は避難を続けてほしい」と注意を促す。
[東日本大震災の震源域の有感地震]余震の活動域で発生し、震度1以上が観測されたと気象庁が発表した地震の総数。有感地震でも、震源地が活動域の外だった場合は含まれない。