今月1日からスタートしたNHK朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が快走している。初回視聴率20.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークし、06年の「芋たこなんきん」以来、7年ぶりの20%超。その後も19%台の高水準で推移して、17日には22.0%まで上昇、続く18日も20.6%と勢いはとどまるところを知らず。
ヒロインは初主演の能年玲奈(19)。岩手を舞台にした海女の物語という意表を突いたテーマで共演の小泉今日子、宮本信子ら個性的な女優が揃ったことがヒットの要因だが、業界関係者の評判は「これぞクドカン・ワールド」というもの。クドカンはもちろん脚本担当の宮藤官九郎だ。
コラムニストの桧山珠美氏がこういう。
「とにかく遊び心が満載で飽きさせない。『ヒロシです』のギャグをサラリと入れたり、『ウニと思うから採れないんだ、ゼニと思え』と祖母役の宮本が言うと、孫の能年が500円玉をつかんで『採った』と海から出てきたり。また、10代の能年、40代の小泉、60代の宮本といった3世代の目線で脚本を書いていて、どの世代も感情移入しやすい気配りもいい。テーマ曲からして明るく、暗いイメージの東北の人が明るく描かれていて意外性もある。最後まで楽しめそうな朝ドラです」
ドラマ「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」「舞妓Haaaan!!!」といった超個性的な作品だけでなく、NHKでもわかりやすくて面白いドラマを作れる脚本家などそんなにいるものではない。
クドカン映画「中学生円山」の公開がGW明けに控えている。草なぎ剛主演で、クドカンが監督・脚本を担当する話題作だが、こちらもドタバタもので、やはりヒットの予感――。クドカン、まさに絶好調である。