朝市の伝統イオンで紡ぐ 敷地提供受ける 気仙沼

 地元の取れたて野菜などを販売する日曜早朝恒例の「気仙沼朝市」が宮城県気仙沼市赤岩のイオン気仙沼店に会場を移し、7日に営業を始めた。
 トマトやネギなどの野菜のほか、カキ、ワカメといった海産物を販売する約30店が出店。午前5時のオープンと共に大勢の買い物客が集まり、店主との会話を楽しみながら商品を買い求めていた。
 朝市は会場だった海沿いの広場が震災で使えなくなり、2011年4月に内陸部の舘山地区、12年2月に四反田地区に移った。しかし、その用地も災害公営住宅の建設予定地になったため、関係者が代替地を探していた。
 生鮮食料品を販売するイオンにとって、朝市は商売敵でもある。気仙沼店の大津裕志店長は「我々だけ勝ち残ろうとは考えていない。朝市の伝統を守ってほしいという一心で敷地を提供した」と語る。
 朝市運営委員会の菅原勝一委員長は「イオンの支援には感謝の気持ちでいっぱいだ。いつかは独り立ちし、港近くで再開したい」、買い物に来た近くの主婦西城富子さん(63)は「なじみの店主と会話できるのが朝市の魅力。これからも続けてほしい」と話している。

タイトルとURLをコピーしました