未配布マスクを全量回収 政府納入で興和・伊藤忠

新型コロナウイルスの感染防止策として政府が配る布マスクに汚れがあった問題で、マスクを納入した興和(名古屋市)と伊藤忠商事は23日、未配布分を全て回収すると発表した。検品体制を通常よりも強化する方針も示した。

 汚れなどの不良品は妊婦への配布分で相次ぎ発覚。その後、全世帯用でも配布前の確認作業で見つかっていた。これまでの厚生労働省の説明によると、2社はどちらについても納入している。

 全世帯への布マスクは今月17日に東京都内で配達が始まり、5月中に約5千万世帯へ2枚ずつ届ける計画。不織布マスクに比べてフィルターとしての効果は薄いとの指摘がある一方、経費は466億円かかり「アベノマスク」とやゆする声が出ていた。妊婦用については配布の窓口となる自治体に約50万枚を発送していた。

 両社は海外の工場からマスクを調達していた。今後、現地の検品を強化するとともに、日本でも全量検品するとした。

 興和は「事態を真摯に受け止め、全量回収の上、再検品する」と説明。伊藤忠は「感染防止に向けた取り組みにできる限り協力する」とコメントした。

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