北海道全域の約295万戸が停電するという異例の事態となり、復旧に1週間以上かかる見通しとなったのは、北海道電力の災害時の備えが不十分だったことが背景にある。他の電力会社との連携や電力構成など、ライフラインを維持する上での課題が明らかになった。
備えの一つが、本州と北海道の間で電力を融通し合う「連系線」だった。今回のような緊急時などのためにある、北海道と本州を結ぶ連系設備(北本連系線)という基幹電線だ。ただ、北海道内が全面的に停電したために、この「生命線」を使うことができなかった。
北本連系線は直流の電気が走っており、家庭などで使用するためには交流に変換しなくてはならない。全面停電によって交流に変換する設備は動かず、電力を道内に供給できなくなった。変換設備の復旧は7日以降になる見通しだ。