本格的な冬到来、高齢者の「ヒートショック」に注意

冬場の入浴、お年寄りはご注意を-。急激な温度変化で脳卒中や心筋梗(こう)塞(そく)を起こしたりする「ヒートショック」について神戸市消防局が注意を呼びかけている。寒い時期に高齢者が暖かい居間から冷えた風呂場へ移動したり、急に熱い湯につかって症状が出るケースが多く、今年は11月末までに657人の救急出動要請があった。さらに冷え込みが予想される本格的な冬の到来に向け、同局は警戒を強めている。
 ヒートショックは空調の効いた暖かい部屋と、寒い脱衣所、冷えた浴室と熱い浴槽など急な温度変化を繰り返す入浴時に、血圧の上昇と下降を繰り返すことによって意識を失うなどの症状を起こす現象。重篤な場合、心肺停止などになることもあり、血液の循環調整機能が低い高齢者に起こりやすいという。
 市消防局によると、昨年は722人からヒートショックとみられる救急出動要請があり、約80%が65歳以上だった。また、救急隊員が到着した時点で約22%の160人が死亡しており、独居の高齢者が浴室で水死しているケースが多い。命は取り留めたが130人が3週間以上の入院が必要な重い症状だった。
 今年11月末現在でヒートショックで搬送された人は昨年同期比で49人多く、年末に向けてさらに増える恐れがある。同局は対策として、浴室内の温度を上げて浴槽との温度差を小さくする▽入浴前に足下から心臓に向かってかけ湯を行い、長湯をしない▽高齢者や高血圧症の人は「二番湯入浴」を心がける-などを呼びかけている。

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