村井嘉浩知事の就任10年目突入に合わせ、河北新報社は県議を対象に県政運営に関するアンケートを実施した。県議の約8割が村井県政を「評価する」または「ある程度評価する」と回答。東日本大震災からの復旧復興に取り組む姿勢についても、約8割が前向きに捉えた。今後の最優先課題は「農林漁業の振興」が最も多かった。(県政取材班)
村井知事の県政運営に対する県議の評価はグラフ上の通り。評価する理由(複数回答)は「公約を着実に実現」が19.0%で最多。「リーダーシップに優れる」(18.1%)、「キャラクターが明るく、前向き」(15.2%)と続いた。
評価しない理由は「強硬な姿が目立つ」(12.9%)との回答がやや多く、「政策実現の課程で説明不足」(8.6%)、「企業誘致や大規模投資など経済偏重が目立つ」(5.7%)など。
震災からの復旧復興に取り組む姿勢は「ある程度評価する」が44.1%で最も多く、「評価する」は39.0%。理由(複数回答)は「国に対して強い姿勢で要望した」(25.7%)、「初動対応が的確」(21.9%)などの回答が目立った。
一方で「評価しない」は6.8%、「あまり評価しない」も6.8%あった。「被災者の声が後回し」(9.0%)、「放射能汚染対策が後手」(7.5%)などを理由に挙げた。
村井県政が今後、震災復興以外で最優先で取り組むべき課題についても複数回答で質問した。結果はグラフ下の通り。「農林漁業の振興」が25人で最も多く、次いで「医療・福祉の充実」(23人)、「産業振興」(20人)だった。
県政運営に対する自由記述では「長期展望を持った姿勢を堅持して」「リーダーシップを発揮し東北全体の発展に尽力を」などの期待とともに、「職員との意思疎通を図ってほしい」、「政策実現への説明が不十分」との意見が寄せられた。
[調査の方法]対象は県議59人。村井嘉浩知事が在任10年目に入るのに合わせ、9年間の県政運営に関する質問8項目を設定。10月上旬に回答用紙を手渡し、全員から回答を得た。