杜の都を笑いで満開に 仙台に常設寄席開館へ 名誉館長は歌丸さん

 東北に大衆芸能を根付かせようと、仙台市青葉区一番町4丁目に来年4月、常設の寄席「魅知国定席(みちのくじょうせき) 花座(はなざ)」が開館する。落語芸術協会(東京)の桂歌丸会長が名誉館長に就き、落語をはじめとする演芸が毎日披露される。席亭の白津守康さん(56)は「皆の協力で花座をつくり、仙台を東北演芸の発祥の地にしたい」と意気込む。
花座は、仙台三越近くの繁華街に白津さんが所有する2階の建物を改装する。延べ床面積約50平方メートルで、2階が40人を収容する演芸スペース、1階がチケット・グッズ販売と飲食のスペースとなる。
毎月1~5日、21~25日の10日間は落語芸術協会との共催で、定席寄席が開かれる。それ以外の日は定番演芸会として、「東北弁落語」の六華亭遊花さんの落語、漫才、マジック、講談、紙切り、津軽三味線などを披露。空いている日は貸し出しも行う。
落語芸術協会仙台事務所長の白津さんは2010年6月から月に1度、「魅知国仙台寄席」を市内のデパートや映画館で開催。山形や相馬、東京などでも開き、落語を広めている。
東日本大震災直後の11年4月も東北新幹線が不通の中、真打ちたちが東京から夜行バスで仙台に駆け付け、興業を続けた。「月に1度では見たくても見られない」という声があり、常設を目指してきた。
白津さんは「定席ならではのライブ感を味わい、東北のお客さんにたくさん笑って幸せになってほしい」と語る。
来年3月21日は青葉区の電力ホールで花座開場を記念した寄席があり、歌丸会長と笑福亭鶴光さん、ウクレレ漫談のぴろきさんらが出演する。
建物内外に掲げるちょうちんに名前を入れる方式で企業や個人から協賛金を募っている。連絡先は落語芸術協会仙台事務所022(263)9608。

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