仙台市の外郭団体、仙台観光コンベンション協会(青葉区)と仙台国際交流協会(同)が2015年4月に合併することが16日、分かった。市の重要施策と連動し、海外からの誘客や国際会議などの誘致を強化する態勢を整える狙い。コンベンション協会が国際交流協会を吸収する形で、名称は「仙台観光国際協会」(仮称)となる予定。
両協会が9日に理事会を開いて合併を承認。国際交流協会が15年3月31日まで仙台国際センター(同)の指定管理者を務めるため、契約が切れる4月1日に合併する。
観光国際協会はコンベンション協会の総務企画部と観光事業部、コンベンション事業部を存続し、1990年設立の国際交流協会の事業を継承する国際化事業部を設ける。外国人や交流団体関係者が集う国際センターの交流コーナーは継続。両協会の事務部門は統合し、削減効果を見込む。
外国人観光客の増加に向け、海外への情報発信や受け入れる観光施設のレベル向上を図る事業を展開する。国際会議の誘致や開催を支援するほか、災害時の安全を確保する態勢づくりに取り組む。仙台在住の外国人らに助言を求め、課題を浮き彫りにするなど合併メリットを生かす考えだ。
コンベンション協会は「外国人の誘客や国際会議誘致は都市間競争が激しい。国際交流協会が培ってきたネットワークを事業に反映させたい」と説明。国際交流協会は「外国人が安心して観光できる環境が必要。国際交流と経済分野が密接に連携し相乗効果を発揮したい」と前向きに捉える。
市は15年3月開催の国連防災世界会議に加え、16年の主要国首脳会議(サミット)の開催地に名乗りを挙げるなど「観光・コンベンション都市」の実現を目指す。外国人宿泊者数も、過去最高だった08年の9万8210人を上回る目標を掲げる。