東京都内の新型コロナウイルスの感染者数を人工知能(AI)で予測している名古屋工業大(名古屋市)の研究グループは15日、都内での「第8波」のピークが来年1月14日頃に到来するとの予測結果をまとめた。1日当たりの新規感染者(1週間平均)は第7波並みの約3万1000人。感染力が高い変異株が流行すれば、1日当たり6万人に達し、過去最多を大幅に上回る恐れもあるとしている。
AIによる感染者予測は内閣官房のプロジェクトで、近く発表される。
変異株「オミクロン株」の系統「BA・5」が主流となっている現状が続くなど、ウイルスの感染力を今後も同じ条件だと仮定した予測では、第8波は今月20日以降に本格化する。12月25日から3週間ほどは、クリスマスや忘年会、新年会、帰省などの影響で、1日当たりの平均感染者は約2万8000〜約3万1000人と高い水準になる。
主流系統が替わって「感染力が1・2倍」という条件では、1月13日に約3万6000人となり、第7波のピーク(約3万3000人)を上回る。分析した同大の平田晃正教授は「年末年始の医療逼迫が懸念され、一人ひとりの感染対策が必要」と指摘する。
予測では、東京、新宿など主要駅の人出▽ワクチン接種率の推移▽SNSで「忘年会」といったキーワードの発信状況――といった過去データをAIで分析。来年2月までの感染リスクの増減を加味して、将来の感染者を算出した。