東京ディズニー40年、客数から満足度向上に転換…「3時間待ち」一転「たくさん乗れる」

東京ディズニーランド(TDL、千葉県浦安市)が15日、開園40周年を迎える。運営するオリエンタルランドはコロナ禍をきっかけに、入園者数を追う戦略から、満足度を高めて収益を確保する戦略への転換を図っている。

 オリエンタルランドは10日、40周年を記念して5年ぶりに刷新する通年パレード「ディズニー・ハーモニー・イン・カラー」を報道陣に公開した。ミッキーマウスなどの人気キャラクターが多く登場した。

 TDLが1983年4月15日に開園した当初、大人のチケット料金は3900円だった。人気の高まりに加え、アトラクションへの投資もあって徐々に価格を引き上げ、現在は需給に応じて7900〜9400円(税込み)となった。

 チケット料金が上がっても入園者数は右肩上がりで推移し、2013〜18年度のランド、シーの合計入園者数は年間3000万人超が続いた。しかし、コロナ禍による臨時休園などの影響で20年度は756万人に激減。オリエンタルランドの21年3月期連結決算の最終利益は1996年の上場以来、初めて赤字に陥った。

 コロナ禍は集客戦略を見直すきっかけになった。

 以前は人気アトラクションの2〜3時間待ちが常態化していた。だが、入園者数を制限した2020〜21年度は1人あたり売上高が1万3000〜1万4000円台と、1万1000円台で推移していた19年度までに比べて大きく増えた。

 チケット料金の値上げ効果だけでなく、入園者がより多くのお金をグッズ購入や飲食費に充てるようになったことが要因だった。10日に訪れた埼玉県草加市のパート女性(53)は「以前は混雑でゆっくりグッズも買えなかった。入園制限でアトラクションもたくさん乗ることができる」と喜ぶ。

 オリエンタルランドは感染者数が落ち着いている現在も、あえて入園者数に上限を設けている。昨年4月に発表した中期経営計画では、24年度の想定入園者数は2600万人程度と、最多だった18年度の3255万人を2割ほど下回る水準とした。

 オリエンタルランド広報部の田中淳一マネジャー(45)は「客数を追い求めるだけではダメだとコロナ禍で気づかされた。混雑を緩和することでゲスト(客)の体験価値向上に努めたい」と話している。

タイトルとURLをコピーしました