東京モーターショーの出展メーカーが発表された。リストを見て業界関係者は「それほど深刻な状況なのか!」と驚きを隠さない。ここ数回、東京モーターショーは海外メーカーの出展取りやめが相次ぎ、今や国際ショーと言うには恥ずかしいほど。なにしろ世界有数の自動車生産国であるアメリカや、伝統あるイギリス、イタリア勢の姿も無いほど。
そればかりか、数少ない出展社リストの水増しまで行っている。例えば『メルセデスベンツ』は、本体の他『メルセデスAMG』、さらに『メルセデス・マイバッハ』、メルセデスベンツのブランドである『スマート』、そして『スマート・ブラバス』というブランド名まで並ぶ。ちなみにAMGなど『スバル』に対する『STI』のようなもの。
だとしたら日産だけでなく、関連の『ニスモ』や『オーテック』を出展社リストに載せているかと言えば、無し。日本のメーカーについては世界基準。海外のメーカーだけ超水増ししているのだった。しかもマイバッハやブラバスの販売台数たるや極めて少ない。少しでも海外メーカーの数を増やしたい、ということなんだと思う。それが逆に「こっけいさ」を感じさせる。
そもそも『フェラーリ』や『ランボルギーニ』、『ロールスロイス』など華やかなブランドが出ていないモーターショーなど魅力無い。今年のモーターショーに出展しているメーカーのクルマなら、近所のディーラーに行けば見られるだけでなく試乗だって可能。本来モーターショーとは自動車に対する夢を持って貰うイベントである。
自動車関連のイベントが不人気なワケではない。幕張メッセで毎年1月に開催される民間企業主催の『オートサロン』の入場者は若い世代の増加などもあり3日間で32万人を超えるほど。会場は押すな押すなの大盛況である。全ての自動車メーカーがスポンサーになっている自動車工業界主催の東京モーターショーは本来なら規模からして全く違うハズ。
出展を見送った海外の自動車メーカーに聞くと、皆さん「出展料金が高額な割に地味過ぎます。一昔前なら東京モーターショーに出展するのがステータスだったけれど、今やそういった雰囲気も無い」。主催者が「開催すればよい」という役人根性になっていると、多くの自動車メーカー関係者は指摘する。地盤沈下は今後も続く?