2020年開催の東京五輪をめぐり、業績にプラス影響があると考えている東北の企業は2割にとどまることが、帝国データバンク仙台支店の調べで分かった。「東日本大震災からの復興が遅れる」といった懸念が強く、4割以上に達した首都圏とは対照的な結果となった。
自社業績に「プラス」と答えた企業の割合は21.7%で、「影響ない」は44.4%だった。「マイナス」の回答は全国10地区で最も高い10.5%となり、全国平均(4.3%)を大きく上回った。
マイナスと答えた企業は「人手不足が深刻化して復興が遅れる」「地方の公共事業が圧縮される」などの理由を挙げた。
東京を含む1都3県で構成する南関東地区はプラスが45.2%、マイナスが2.3%となり、東北との違いが鮮明に表れた。
五輪までに解決するべき課題(複数回答)としては「原発事故の処理」が79.0%でトップだった。「震災復興」(68.6%)「東京一極集中の解消」(44.1%)などが続いた。
仙台支店は「五輪特需が地方に波及する仕組みが求められる」と指摘した。
調査は10月下旬、東北の1336社を対象にインターネットで実施し、628社から回答を得た。回答率は47.0%。