2020年東京五輪では、サッカー1次リーグの男子6試合、女子3試合が東日本大震災の被災地の宮城県にある宮城スタジアム(同県利府町)で予定されている。同県内のサッカー関係者は開催を歓迎し、「震災からの復興を印象付けたい」と意気込んでいる。
同県サッカー協会の大久保芳雄会長(67)は「震災からの復興を世界に発信する場」と五輪の舞台をとらえる。これまでに香川真司(マンチェスター・ユナイテッド、FCみやぎ出身)が北京五輪代表に選ばれており、「7年後の出場を夢見る子どもたちも多く出てくるだろう。宮城から代表に選ばれる選手を育てたい」と話す。
指導者も決定を喜ぶ。古川杉の子サッカースポーツ少年団(大崎市)の加藤栄徳監督(55)は「東京五輪開催時に代表主力の世代となる小中学生にとって大きなモチベーションになる。震災を乗り越えた東北の子どもたちの成長した姿を宮城スタジアムで見たい」と期待を込めた。
復興を掲げる東京五輪に、被災した若い選手も夢を膨らませる。仙台三高サッカー部1年の山田翼君(16)は仙台市高砂中1年時に避難所暮らしを経験、練習や試合ができない日を過ごした。「見に行きたいのはもちろん、ピッチに立ちたいという思いもある」と話し「立派に復興した日本を世界の人に見てほしい」と強調した。