東京五輪ボランティアが集まらない懸念に「給料出せばいい」と総ツッコミ

2年後に開催が迫っている東京オリンピック。9月からボランティア募集が開始されるのだが、日本経済新聞によると関係者が学生の応募者が集まるのかを懸念しているという。

今年の3月にボランティアの募集要項が発表されて以来、ネット上ではそのブラックな内容に批判が殺到。「東京 2020 大会に向けたボランティア戦略」の募集要項によれば、1日8時間程度、合計10日間の活動が必要なうえに、競技会場への交通・宿泊とそれにかかる費用は自身で手配・負担、研修を受けるための稼働日もあるなど、厳しい条件が並ぶ。

この内容についてネット上では、ブラック企業も真っ青のやりがい搾取であるという批判、給料が出るぶんブラック企業の方がまだマシであるとの声や、国が労働に対価を支払わないのに、ブラック企業がなくなるはずがないという意見も。

この悪条件に加え、大会開催は2年後。現在大学に通う人のなかには、開催時には就職しているか、就職活動の最中であることも考えられ、予定の見通しが立てづらいのだ。

大会の関係者はこの夏、全国各地の大学で説明会を開き、活動内容を紹介するチラシを30万枚配布。さらに、東京都は女優の広瀬すずを起用したテレビCMを制作し、放送するという。

この対応について、なぜ有給にしないのかという疑問、その広告宣伝費を人件費に回せば解決するという提案など、様々な角度からのツッコミが殺到している。

文部科学省とスポーツ庁は、全国の大学や専門学校に対してある文書を通知。その内容は、2020年には学生がボランティア活動をしやすくするため、授業や試験の日程を変更できることや、ボランティア関連で授業を欠席する場合は公欠扱いにするというもの。

この通達について、公欠になったところで学びの機会を失うことは変わらないといった意見も見受けられた。

また、8月18日にインドネシアで開幕した、“アジア版オリンピック”と呼ばれるアジア競技大会と比較する声もある。インドネシアでは、現地ボランティアに最低賃金を大きく上回る報酬が支払われていることに触れ、こういった当たり前のことがなぜできないのかと疑問を呈するユーザーもいる。

大会の組織委員会は計11万人のボランティアを募集しているが、果たしてどれだけ集まるのだろうか。

(飛鳥 進)

■関連リンク
・東京オリンピックボランティア特設サイト
https://tokyo2020.org/jp/special/volunteer/
東京五輪ボランティア、主力の学生確保に悩み|日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO3420465016082018CR0000?s=1
・アジア大会 ボランティアに破格の報酬 18日夜開会式|毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180818/k00/00e/050/248000c

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