2020年東京五輪・パラリンピックの大会マスコットが「未来ロボット型」のア案に決定した。全国にある小学校約28万クラス中、20万クラスが投票した「全国小学生総選挙」(22日締め切り)により選ばれ、大会組織委員会が28日、開票結果を発表。得票数は10万9041票だった。
昨年8月、一般公募で2042作品が集まり、選考過程を経て同12月、ア、イ、ウの最終候補3案を公表。小学校1クラス単位で投票し、1票でも多い得票作品が採用される選考方式だった。一般市民が投票し、マスコットを決めるのは五輪史上初めて。
ア案の作者は福岡県のキャラクターデザイナー谷口亮さん(43)。日本の高校卒業後、米カリフォルニア州にある大学で美術を専攻し、帰国後、オリジナルキャラクターの制作を開始した。その後、路上でキャラクターグッズを販売しながら人脈を培い、今に至った。教育系出版社「ベネッセ」などでキャラクターデザインを担当。博多警察署・防犯協会の「いかのおすし」のキャラクターイラストも手がけた。
マスコットは五輪・パラリンピックで対となっている。ア案の「五輪版」は、大会エンブレムでも使われている青い市松模様をあしらった、伝統と近未来性を併せ持つキャラクター。伝統を大切にしながらも、常に最新情報をキャッチし、瞬間移動もできる設定。
「パラリンピック版」はピンク色の市松模様で、桜の触覚があり、超能力を持つ。自然を愛し、石や風と話せて、見るだけで物が動かせる。性格は正反対も、お互いを認め合う大の仲良しなところが「共通点」だ。
今後はマスコットの名前を検討する。ネーミングは一般公募ではなく、専門家に業務委託し、その中から複数案をマスコット審査会に提示。ア案の作者も入り7、8月に決定、公表する。