東京湾に「打瀬船」復活 横浜めざし熊本を出航

 かつては全国で漁などに使われていた日本古来の帆船「打瀬(うたせ)船」が2日午前、東京湾を目指し、熊本県芦北町の佐敷港を出発した。山口県の下関港などを経由し、約2週間かけて13日ごろ、横浜港に到着する予定。
 地元の漁師らに見送られる中、帆をたたんだ状態の打瀬船は港内を旋回し、次の目的地の福田港(長崎県)に向かった。
 約40年前に建造されたこの船は現在、漁に使われておらず、芦北町の漁師が所有していた。東京湾の自然再生活動に取り組む横浜市のNPO法人などでつくる協議会が有償で譲り受け、東京湾まで約1500キロの回航を企画した。
 打瀬船は昭和初期には全国各地で漁船として利用されていたが、埋め立てなどで漁場がなくなり次第に姿を消した。スタッフの鈴木覚さん(57)は「多くの人に打瀬船を知ってもらい、環境問題を考えるきっかけになれば」と話した。

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