東京23区マンション平均価格 1億円突破の異常事態でもまだ上がる? 専門家の意見は?

都心のマンション価格の高騰が止まらない。

 民間の調査会社「不動産経済研究所」によると、今年上半期に販売された東京23区の新築マンションの1戸当たりの平均価格は、前年同期と比べて60.2%も高い1億2962万円だったという。過去最高だった91年の9738万円を上回り、上半期として初めて1億円を突破した。20日調査結果が発表された。1戸45億円といった超高額物件が複数分譲されたことも平均価格を押し上げた要因のようだ。

 首都圏の平均価格も、8873万円と過去最高を記録。昨年の上半期と比べて36.3%上昇した。ただ、首都圏でも、東京23区とそれ以外では、大きな価格差が生じている。

 神奈川県は5748万円(7.6%上昇)、千葉県4766万円(0.8%上昇)、埼玉県5019万円(14.7%下落)、東京都の23区以外のエリアも5609万円(3.5%上昇)だった。

 マンション価格の高騰について、不動産アナリストの長谷川高氏はこう言う。

「資材と人件費が高くなっていることが大きな原因。コストプッシュ型です。15年ほど前、1坪当たりの建設費は60万~70万円でした。それが150万円前後に跳ね上がっている。あまりに建設コストが高いために、供給も激減しています。かつて約8万戸だった首都圏の年間販売戸数は、2万戸台に落ちている。販売されるのは、高額でも買い手がつく都心や、郊外なら駅前の一等地に限定されている。それが平均価格の高騰につながっています」

「オリンピックが終わったら暴落する」──との指摘もあったマンション価格。まだ上がるのか。

「これから日本は人口減少がつづきます。東京の人口も将来的には頭打ちでしょう。東京に人を供給してきた地方の人口が減っていますからね。そう考えると、需給バランスが悪くなるのは間違いない。この先、マンション価格がどうなるか、やはり大きいのは金利です。この10年、マンション価格の上昇がつづいたのは、異常な低金利だったからです。住宅ローンの金利が低いため、パワーカップルなら億ションを買える。日銀が金利を上げたら、高騰にストップがかかるはずです」(長谷川高氏)

 すでに郊外では、販売価格が高くなりすぎ、モデルルームの集客が伸び悩んでいるという。

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