東北「感染第2波」警戒 4県休業要請を解除、人の往来戻る

新型コロナウイルス特措法に基づく休業要請を解除した7日、青森、岩手、宮城、秋田の東北4県では人の往来がやや戻り、各県には「油断すれば『感染第2波』が起きかねない」との警戒感が広がった。東北、新潟7県知事と2政令市長は8日、共同メッセージを改めて打ち出す予定で、不要不急の外出自粛を強く働き掛ける。
 「自粛疲れで外に出たい気持ちは分かる。でも節度を持って行動してほしい」。東北最多となる88人の感染が確認されている宮城県の幹部は、渋い表情でこう漏らした。
 仙台市中心部では7日、飲食店やパチンコ店などが営業を再開。休業要請の期間中とは打って変わり、午前中からマスク姿の買い物客が繁華街を行き交った。
 県幹部は「店の再開容認と外出自粛は矛盾すると思うだろうが、コロナ禍の『新しい生活様式』でもある」と説明。「行動は県内にとどめるなど(共同メッセージの)ルールを徹底してほしい」と、県民のもう一踏ん張りを期待した。
 接待を伴うスナックなどを除き、大半の事業所の営業再開を認めた秋田県の幹部は「気を抜けば、感染はぶり返す」と強調。ワクチンの開発はまだ見通せず、「今は予防策の徹底が重要だ」と訴えた。
 「人の往来はある程度増えると予想していた」と、青森県幹部は冷静に受け止める。同県では感染者ゼロが2週間以上続いた時期もあったが、7日にも感染者が確認されており、「コロナ以前の生活に戻ったわけではない」と気を引き締めた。
 全国で唯一、感染者未確認が続く岩手県の幹部は「県民には手洗いの徹底、密閉、密集、密接の『3密』の回避といった基本的な生活習慣を継続してほしい」と呼び掛けた。
 7県知事と仙台、新潟両市長は大型連休前の4月24日、緊急共同宣言を発表。観光目的の外出、首都圏への訪問、7県への帰省など県境を越えた移動を控え、生活必需品の買い物の際も「3密」を避けるよう求めた。

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