東北のインバウンド、今年は秋までに前年超え それでも全国の1%程度

 東北6県の2024年1~9月の外国人延べ宿泊者数(速報値)は計157万6000人で、23年の年間156万1000人を既に上回ったことが17日、東北運輸局のまとめで分かった。過去最多となったコロナ禍前の19年の1~9月と比べても3割ほど多く、最多を更新する勢い。円安を背景に増加するインバウンド(訪日客)が、東北の観光地にも足を延ばしている。

 東北の外国人延べ宿泊者数の推移はグラフの通り。24年は年初から9カ月連続で各月の最多を更新した。1~9月の合計が県別で最も多かったのは宮城の54万8920人。全6県で23年1~9月を上回り、秋田を除く5県は19年1~9月よりも多かった。

 24年9月の外国人延べ宿泊者数は東北全体で14万3410人だった。県別では岩手と秋田を除く4県で9月の最多を記録した。岩手は米紙ニューヨーク・タイムズで盛岡市が紹介され、23年に多くの観光客が訪れた反動があり、秋田は大型宿泊施設が少ないことが影響した。

 一方、全国の外国人延べ宿泊者数に占める東北の割合を見ると、9月はわずか1・2%だった。東北運輸局の川崎博局長は17日の定例記者会見で「観光地としての魅力は他地域に引けを取らない。東北を知ってもらうための取り組みに力を入れたい」と強調した。

 東北の24年1~9月の日本人延べ宿泊者数は前年同期比1・5%減の2661万1000人で、19年同期には約15%届かなかった。

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