東北のスーパー「狙うは仙台」小型店出店加速

東北で店舗を展開するスーパー各社が、仙台市への出店を加速させている。市地下鉄東西線開業で変化する商圏の動きも捉えつ つ、生鮮品を扱うスーパーが少ない市中心部の街中や周辺住宅地に照準を定める。郊外店より面積を小さくして機動的な出店を実現し、弁当や総菜の品ぞろえの 充実に力を入れている。
イオングループの事業会社イオンリテール(千葉市)は4日、太白区の市地下鉄南北線富沢駅北側に店舗面積約840平方メートルの都市型店舗「イオン仙台富沢店」を開店した。
ターゲットは徒歩10分圏の約6200世帯。地元野菜などの生鮮品に加え、単身者や共働き世帯を意識し、弁当、総菜、手作りパン、ワインなどをそろえた。
1日には繁華街に近い青葉区立町に約200平方メートルのミニスーパーも開設した。小型店で中心部や東西線沿線の需要を掘り起こす。
イオンリテール東北カンパニーの家坂有朋支社長は「店の大きさの選択肢が広がり、地域に応じた出店が可能になった」と話す。
ウジエスーパー(登米市)は10月、JR仙台駅の北東1.2キロの住宅地に小田原店(仙台市宮城野区)をオープンした。ビル1階に入居し、約1000平方 メートルの売り場に減塩コーナー、野菜や農産加工品の産直などを設けた。川向衡店長は「宮城県で人口が増えているのは仙台市とその周辺。小田原店を仙台圏 のモデルに位置付ける」と言う。
みやぎ生協(仙台市)は11月、売り場面積が455平方メートルと全店舗で最小の木町店(青葉区)を改装した。独自の調査で、周辺は単身世帯と2人世帯が合わせて8割を占めた。日中は就業人口も多い。生鮮品を求める声も上がっていた。
改装後は弁当や総菜、生鮮品を充実させ、売り上げを伸ばしている。同生協は「最小店舗でも地域需要に応えられる。中心部に物件があれば出店を検討したい」と前向きな姿勢を示す。
ヨークベニマルは東西線開業を前に、6月に若林区六丁の目南町に出店した。来春は宮城野区田子地区に店舗新設を予定する。

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