東北の住宅着工15.7%減 適地・職人不足が顕在化

国土交通省がまとめた東北の4月の新設住宅着工戸数は、前年同月比15.7%減の4889戸だった。前年同月を割り込むのは2カ月連続。東日本大震災の移転需要は堅調だが、被災地で適地や職人の不足が顕在化しており、住宅着工が落ち込んだ。
 住宅金融支援機構東北支店の担当者は「震災前の約1.5倍の着工戸数で、水準は依然として高い状態にある。被災地の宅地供給は今後本格化する見通しで、住宅ニーズは根強い」と分析する。
 県別の着工戸数は表の通り。青森、岩手を除く4県で減少した。
 種類別戸数では、持ち家が青森を除く5県で前年を下回り、全体で17.0%減の2514戸となった。このうち宮城では仙台市や石巻市、気仙沼市など沿岸部で減少。震災後、福島県内最大の住宅供給地のいわき市は、土地不足や価格高騰で振るわなかった。
 山形の持ち家も大幅に減った。ことしは家屋建築が凶事となる「三隣亡(さんりんぼう)」に当たるため、駆け込み需要で増えた前年の反動とみられる。
 貸家は全体で24.3%減って1650戸。分譲住宅は17.2%増の689戸。うちマンションは45.1%増の264戸で、一戸建ては5.7%増の425戸だった。

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