国土交通省がまとめた2011年の新設住宅着工戸数によると、東北6県の年間総数は前年比4.3%減の3万8370戸となった。前年割れは5年連続で、4万戸を下回ったのは1963年(3万9700戸)以来48年ぶり。東日本大震災後の落ち込みが響いた。
東北の年間推移はグラフ、県別の年間着工戸数は表の通り。11年は6月まで前年同月を下回って推移。震災後の3~5月は10%以上の落ち込みで、5月は29.6%の大幅減だった。
7、8月は震災の影響で遅れていた物件の着工や消費マインドの持ち直しなどで前年比プラスとなったが、総数は10~12月に再び減少に転じた。
ただ持ち家は10~12月もプラスを維持。通年でも前年比4.9%増の2万3337戸となり、2年連続で前年を上回った。
持ち家以外は前年を割り込み、アパートなど貸家は15.0%減の1万969戸。分譲住宅は14.9%減の3854戸で、うちマンションは42.3%の大幅減の801戸、一戸建ては1.8%減の3043戸だった。
国交省建設統計室は「貸家の落ち込みが続いている。持ち家の回復も、被災した全体の住宅数から見ればわずかにとどまる」と指摘。今後の動向については雇用や所得環境の厳しさを挙げ「被災地の復興や(労働力不足など)建設業の状況などを引き続き慎重に見極める必要がある」としている。
一方、昨年12月の東北の着工戸数は前年同月比4.5%減の3386戸だった。持ち家は11.7%増の2011戸で、県別では宮城が61.3%増の784戸。分譲住宅は東北全体で2.1%増の432戸だった。
全国の11年の着工戸数は前年比2.6%増の83万4117戸で、2年連続で増えた。