東北の医療機関、新型肺炎対策徹底 受け入れ手順を確認

新型コロナウイルスによる肺炎の広がりを受け、東北の感染症指定医療機関では対応マニュアルを確認したり、診察・入院手順を点検したりするなど、感染者発生に警戒を強める。季節性インフルエンザの流行期とも重なっており、担当者らは「どのようなケースにも対応できるように備えたい」と気を引き締める。

 「訓練を重ねており、マニュアルの再確認も通知した。混乱することなく対応できる」。第2種の指定医療機関の一つ、仙台市立病院(太白区)の担当者は力を込める。同病院は年2回、市や仙台空港、仙台検疫所と感染症患者発生に備える訓練を実施。受け入れ準備や診察、入院の手順を確認している。
 新型コロナウイルスの感染者には、空気を外部に漏らさないよう気圧を低く保つ「陰圧式」の診察室で対応する。重症者は一般病棟から隔離された感染症病棟(8床)に入院させる。担当者は「重症急性呼吸器症候群(SARS)の対応経験がある看護師もおり、態勢は万全だ」と強調した。
 大崎市民病院では感染者を受け入れる場合、一般病室を空ける調整が必要になる。感染管理室の担当者は「受け入れる可能性はゼロではない。国指針に合わせマニュアルを修正する」と話す。
 第1種指定医療機関の東北大病院(仙台市青葉区)には、1日に約3000人の患者が来院する。発熱して中国の武漢市への渡航歴のある人に対し、申し出を呼び掛けるポスターを掲示した。
 毎年のインフルエンザ流行期に合わせ、昨年末から入院患者の面会を制限している。感染管理室長の徳田浩一特任教授(感染症学)は「基礎疾患や合併症のある患者が多く、より気を使う必要がある」と話す。
 仙台市健康安全課によると、医療機関から感染疑い例の情報が入った場合、現時点では検体を国立感染症研究所に送り、陽性であれば医療機関で治療しつつ各保健所が接触者を調査する。

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