東北の小売店 消費税5%最後の週末 購入駆け込み

「消費税率5%」が適用される最後の週末となった29日、東北の大型小売店は多くの買い物客でにぎわった。家計の負担を少しでも抑えようと、各売り場では日用品などをまとめ買いする姿が見られた。各店は特典セールを仕掛けるなどして、月末ぎりぎりまで駆け込み需要に期待する。
 名取市のイオンモール名取は、カード提示時などの割引イベントを28日から3日連続で開催。買いだめに備え、即席麺、食料油など約1000品目を扱う特設コーナーも設けた。
 来店した名取市の会社員大友博行さん(52)は「買い物時の負担が増えるのはきつい。4月以降は生活を切り詰める」と、トイレットペーパーなどを大量購入していた。
 同店は3月に入り、売上高が前年の5~8割増で推移している。担当者は「30、31日は倍増を予想している」と意気込んだ。
 百貨店は時計を中心とした高額品、アクセサリーなどが好調だ。仙台市青葉区の仙台三越は29日、午前中から前年を上回る客入りとなった。
 友人と来店した泉区の女性会社員(50)は「増税前に必要なものを中心街で買うつもり。とりあえず化粧品を購入した」と話した。
 ブランド性が高い化粧品は、他店でも駆け込み購入の対象になっている。盛岡市の川徳を訪れた釜石市の50代の主婦は「少しでも安いうちに」と一式を買いそろえた。
 仙台市若林区の酒販チェーン「やまや沖野店」は、ビールなどに人気が集まった。酒類と子供用の清涼飲料水を買い込んだ若林区の公務員清水靖さん(47)は「1カ月分にしかならないが、少しでも節約になれば」と語った。
 転居需要が重なる家具店にも、出費を抑えようとする客が詰め掛けた。
 仙台市泉区のイケア仙台ミニショップでは29日、両手に商品を抱えた買い物客がレジ待ちの列をつくった。北上市の会社員藤沢峻也さん(25)は「新生活に必要な商品を見に来た。この週末中に決めたい」と話していた。

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