東北の市町村人口 10%以上減、17町村に 一極化進む

 2010年国勢調査(10月1日実施)の東北6県の速報値が出そろったのを受け、河北新報社は各市町村別の人口推移をまとめた。前回調査(05年)より人口が10%以上減少したのは17町村で、前回の6町村を大きく上回った。郡部や中小都市で人口流出に拍車が掛かり、北東北3県を中心に減少ペースは一段と加速。仙台都市圏(14市町村)への一極集中化がさらに進行した。
<都市部人口/合併で5.2ポイント増 市部8割超す>
 東北の総人口933万4900人のうち、市部に住むのは750万6205人で、全体の80.4%。市町村合併の影響もあり、前回を5.2ポイント上回った。市部人口の割合は青森76.8%、岩手77.0%、宮城81.9%、秋田90.2%、山形79.0%、福島79.0%。
 6県の計75市のうち、人口が増えたのは6市で、宮城4(仙台、名取、多賀城、岩沼)、山形1(東根)、福島1(本宮)。減少したのは69市で、前回より10市増。宮城の4市はいずれも仙台都市圏(14市町村)に位置している。
 地域の中核となる人口10万人以上の都市は18市。このうち、2.0%増となった仙台を除く17市全てで減少した。減少率が高かったのは、一関5.7%、酒田5.5%、奥州4.2%の順。減少率が低かったのは、郡山0%(62人減)、盛岡0.7%、山形0.8%など。
<人口増減率/2桁増は1町>
 人口が10%以上増えたのは、前回に続き、仙台市の北に隣接する宮城県富谷町だけ。伸び率は鈍化傾向にあるものの、1975年以来、8回連続で2桁台の伸びが続いた。
 5%以上増えたのは前回5市町だったが、今回は宮城の3市町(名取市、利府、富谷両町)にとどまった。増加率の上位10位には宮城5市町、福島3町村、山形1市が入り、南東北3県が9市町村を占めた。
 市部で減少率が高かったのは(1)男鹿9.3%(2)北秋田9.1%(3)尾花沢8.4%(4)湯沢8.0%(5)釜石7.9%―など。全市の約4割にあたる31市で5%以上減少した。県別では、岩手9、秋田8、宮城5、青森、山形、福島が各3だった。
 人口が10%以上減った町村は17。青森、秋田両県の山間部や沿岸部をはじめ、福島県会津地方や山形県最上地方で減少率の高さが目立った。

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