東北の木材で家具を 仙台のベンチャー、職人と連携

情報通信系ベンチャーのワイヤードビーンズ(仙台市)は、東北の地元産木材を使いながら価格を抑える家具の商品化を進めている。岩手、宮城両県の製造会社による机や棚などの販売を今秋、インターネットなどで始める。東北芸術工科大(山形市)と山形県産製品の共同開発も行う。同社は「東北各県で職人の力を借り、林業の活性化にもつなげたい」と話している。
 事業名は「ふるさとの木から生まれる家具」。連携するデザイン大手GKインダストリアルデザイン(東京)が企画する家具を各県で製品化する。
 価格はまとまった量の発注などにより通常の6~7割に抑える。棚は1万円から、机は数万円程度からの予定。これまでにウッディアベ工芸(宮城県登米市)と、日本木材工業(岩手県岩泉町)がそれぞれ手掛ける製品の販売が決まっている。
 山形での共同開発は、東北芸工大企画構想学科の平林千春教授の研究室と行う。使用木材や製造を担う企業探しから始め、サンプル作り、量産技術の開発を進める。
 事業は全国の都道府県に広げる予定だが、当面は東北6県の製品の開発と販売を中心に据える。
 ウッディ社の阿部広幸社長は「色もにおいも輸入材とは異なる国産材の良さと味わいを、製品を通じて見直してほしい」と期待する。日本木材の担当者も「個人向け家具はほとんど手掛けてこなかった。職人の技術が発揮できる」と語る。
 ワイヤード社の三輪寛社長は「価格を抑えることで、国産材を使う製品のニーズがあるのに、地元の山林が荒れている状況を少しでも変えていきたい」と話している。
 連絡先はワイヤードビーンズ022(380)8700。

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