東北の桜まつり、にぎわい「満開」近づく 行動制限撤廃の動き目立つ

新型コロナウイルスとの共生が進む中、シーズン目前の東北各県のお花見スポットでは「桜まつり」などのイベントを4年ぶりに再開し、飲食・飲酒などの行動制限も撤廃する動きが目立つ。今年は開花が記録的に早いと予想され、開催準備は既に追い込みに入った。(報道部・相沢みづき、武田俊郎)

弘前は4年ぶり飲酒解禁

 宮城では祭りの再開が相次ぐ。榴岡公園(仙台市宮城野区)や大河原、柴田、涌谷3町の花見名所では、3年連続で中止した祭りを再開する。大河原町の実行委員会は「今年は『一目千本桜』の植樹100周年。どうしても開催したかった」と胸をなで下ろす。

 昨年、3年ぶりに花見イベントが復活した西公園(青葉区)は、酒類の提供やライトアップを昨年より遅い午後10時まで延長する。

 他の5県では、昨年までの縮小開催を通常規模に戻す場所が多い。弘前公園(弘前市)は飲酒を4年ぶりに解禁。「桧木内(ひのきない)川堤のソメイヨシノ」「武家屋敷のシダレザクラ」で知られる角館(仙北市)では、出店や歩行者天国が4年ぶりに復活する。

 開成山公園(郡山市)はレジャーシートを広げて飲食できるエリアを設ける。展勝地(北上市)は「3密」回避のため中止していた観光馬車を4年ぶりに運行再開する。

開花「平年より非常に早い」

 関係者が気をもむのは開花や満開の時期だ。民間気象会社ウェザーニューズ(千葉市)によると、東北各県の開花は28日の福島を皮切りに「平年より非常に早い」ペースで北上する見込み。福島市や仙台市、山形市では4月上旬に満開が見込まれ、急ピッチの準備が必要になる。

 角館の桜まつりは毎年4月20日~5月5日に期間を固定しているが、開花が早まれば4月15、16日の出店とライトアップの「プレ開催」を検討する。霞城公園(山形市)はライトアップの電球設営などを「例年より2週間ほど前倒し」(山形市観光戦略課)して準備する。開成山公園も4月3~23日のライトアップを「開花状況次第で変更する可能性がある」(郡山市観光協会)という。

 一方、感染対策は大幅に緩和される見通し。弘前公園は入場口での検温を廃止し、一部園内の周遊方法も昨年までの一方通行から対面通行に変更する。同公園のほか榴岡公園などもマスク着用を個人の判断に任せる方針だ。

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