東北の美術家、売り込め 首都圏各地で展覧会

仙台市のNPO法人「東北の造形作家を支援する会」(SOAT、藤原久美子理事長)は今秋から、東北の美術家を売り込むための展覧会を首都圏各地で開く。画廊や画商に東北の美術家を知ってもらい、作品を首都圏で継続的に販売する環境づくりにつなげる。早ければ11月にも第1弾を実施し、1年程度続ける。
 展覧会には絵画、ガラス、オブジェ、陶芸、染織などの作家約100人の参加を目指す。宮城県芸術協会理事長の美術家早坂貞彦さん(仙台市)も出品する。1カ所につき30~50点を展示販売する。
 会場は東京、神奈川、千葉、埼玉、群馬の画廊やデパートなど十数カ所でめどが立った。
 会場の確保には、埼玉県鳩山町の画商アートフォース社長の井田清さんが協力した。井田さんは東日本大震災の被災地で活動する芸術家を応援しようと、親交のある仙台市出身の洋画家を通して藤原さんに支援を申し出た。
 首都圏のギャラリーで展覧会を開く場合、東京・銀座では会場費などの経費が約100万円かかり、作家にはハードルが高かった。今回は原則、ダイレクトメールなどのPR費は会場側が負担する。売り上げに応じて会場費を支払う歩合制で、作家の負担を抑える。
 藤原さんは「作家にチャンスを提供するまでのお手伝い。レベルの高い作品を出さないと東北全体が笑われる。血肉を削る覚悟で出品してほしい」と話す。
 SOATの会員は現在約100人。展覧会に参加できるのは会員(年会費1万円)に限り、入会、出品には作品の審査がある。会員になればSOATが運営するアートギャラリーそあとの庭(仙台市青葉区郷六)の無料貸し出しなどの支援を受けられる。
 そあとの庭では25日まで会員紹介展を開いている(21日は休み)。入場無料。連絡先はそあとの庭022(398)8844。

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