東北の10年産米 概算金軒並み最低 価格競争対応鮮明に

 全国農業協同組合連合会(全農)が農家に支払う2010年産米の概算金が13日、東北で出そろった。コメの消費低迷や過剰在庫から各県の各銘柄とも過去最低となった。
 13日決まった岩手の概算金(60キロ、1等米)は、ひとめぼれが8700円(前年比3600円減)、あきたこまちは8500円(3500円減)。同じく青森では、つがるロマンが8500円(2900円減)、まっしぐらが8300円(2800円減)となった。
 他県の主力銘柄も、宮城のひとめぼれ8700円、秋田のあきたこまちと山形のはえぬき9000円、福島・中通り産のコシヒカリ9400円など、2600~3600円の大幅下落となった。
 主食用米で1万円の大台を確保できたのは山形のつや姫の1万1500円、福島・会津産コシヒカリの1万円など、わずかだった。
 東北は他産地より首都圏への輸送費がかさむ上、生産量が多く在庫管理コストが膨らむことから、価格競争の中で引き下げ幅を大きくする必要があった。
 市場ではコシヒカリ人気が高く、ひとめぼれやあきたこまちが苦戦気味なことも響いた。
 東北ではこれまで農家所得確保に配慮する傾向が強かったが、今年は価格競争に対応する姿勢が鮮明になった。

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