東北・10月の百貨店売上高が前年超え 秋冬物が好調

東北百貨店協会が24日まとめた10月の百貨店(12社23店)の売上高は170億8100万円で、前年同月比0.9%増となった。前年同月を上回ったのは2年7カ月ぶり。9月までの厳しい猛暑や残暑から一転し、秋らしい気候となったことで来店者が増え、秋冬物を中心に衣料品が復調したことが好影響した。
 協会は「今冬のボーナス支給額が増加しそうだとの予測なども、心理的にプラスに働いているのではないか」と指摘。11月も季節商品が好調だとして「今後の商戦にも期待が持てそうだ」とみている。
 品目別の売上高と前年同月からの増減率は表の通り。衣料品の減少率は前月の11.5%減から10.0ポイント改善した。婦人服はコートやストールが好調で、紳士服もジャケットがけん引役となった。
 身の回り品は前月より10.4ポイント改善し、前年同月比でプラスに転じた。ブーツの動きが良く、高級海外ブランドバッグなども好調。雑貨は美術、宝飾、貴金属が9.3%増と回復し、化粧品も7社が前年水準をクリアした。
 食料品は前月より5.4ポイントの改善。総菜が大きく数字を伸ばし、物産展など催事販売も好調だった。食堂・喫茶は来店者の増加を反映して売り上げ増となった。家庭用品は食器や調理器具が健闘した。
 10月の売上高が前年水準を超えた藤崎の三浦晃営業企画部長は「衣料品、貴金属、海外ブランド品など百貨店らしい分野で回復が目立ってきた。社員も自信を深めている」と喜ぶ。山形市の大沼も「単価の高い婦人服なども売れるようになってきた。このまま好調を維持したい」と話す。
◎全国でもプラスに/2年8カ月ぶり
 日本百貨店協会が24日発表した10月の全国百貨店売上高(店舗数調整後)は前年同月比0.6%増となり、2年8カ月ぶりに前年水準を上回った。コートやジャケットなど秋冬物の衣料品が好調だったためで、全店ベースでの売上高は約5121億円だった。
 売上高がプラスに転じたのは、複数の店舗での増床や改装効果に加え、前年同月が10.5%減の大幅マイナスだった反動もある。百貨店協会は「消費者が節約から買い物志向に変化してきている。11月も堅調に推移しており、年末商戦に期待したい」と話している。
 商品別では、衣料品が10月下旬から急に冷え込んだことで0.3%増と3年4カ月ぶりに前年同月の売り上げを上回った。ただ高級ブランドの売れ行きは低迷しているという。

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