東北企業、新型コロナ長引けば廃業検討7.8% 民間調査

新型コロナウイルス感染症が収束するまでの期間が長引いた場合、東北の企業の7.8%が廃業を検討する可能性があることが21日、東京商工リサーチ東北支社の調査で分かった。感染拡大の影響で、7月の売上高が前年同月より減った企業は71.9%に上り、6月の前回調査(71.3%)とほぼ横ばいだった。
 東北支社は「廃業が増えれば雇用が減り、経済が縮小する。M&A(企業の合併・売却)の指導、後継者育成など、廃業を防ぐ手だてを考えていく必要がある」と指摘する。
 廃業を検討する可能性がある企業を県別にみると、宮城が10.0%で最も高く「他県より悲観的に考える企業が多い」(東北支社)。青森9.4%、福島9.1%、岩手6.9%、秋田4.9%、山形4.1%と続いた。
 業種は旅行業などサービス業、製造業が多かった。廃業の検討時期は、今後1年以内が計43.9%に上り、新型コロナ収束が見えない中、事業継続への不安感がにじんだ。
 7月の売上高が前年の5割未満となった企業は全体の7.1%。8~12月に1カ月でも売上高が5割以下に落ち込む可能性があるのは41.2%で、前回より9.0ポイント悪化した。東北支社は「感染が再拡大してさらなる悪化を懸念している」と分析する。
 全体の9.9%は、新型コロナを理由に取引先から支払い延期要請を受けたことがあった。国や自治体などの支援策は48.3%が利用。利用した支援策(複数回答)は、民間金融機関の実質無利子・無担保融資が24.5%、持続化給付金21.9%、雇用調整助成金21.7%だった。
 調査は7回目で、インターネットを通じて7月28日~8月11日に実施。東北の有効回答は1022社。

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