東北企業、消費税増税に5割弱が否定的 「駆け込み需要ない」52%

10月に予定される消費税率10%への引き上げについて、東北の企業の5割弱が否定的に考えていることが、帝国データバンク仙台支店の調査で分かった。増税前の駆け込み需要はないと答えた企業も過半数となり、消費への悪影響に対する不安がうかがえた。

 消費税率引き上げについて「延期して実施するべき」は14.3%、「実施すべきではない」は26.7%、「消費税率を引き下げるべき」は7.3%。否定的な回答は計48.3%に上り、「予定通り実施すべき」の40.9%を上回った。
 業種別で「実施すべきではない」と回答した割合は、農・林・水産業が44.4%で最も高く、卸売業の34.5%、小売業の32.7%が続いた。
 宮城の機械・器具卸売業者は調査に「消費動向が冷え込んでいる中、増税でますます消費しなくなる」と回答。秋田の運輸・倉庫業者は「景気が上向きであることを確認してからでも遅くない」と話した。
 増税の企業活動への影響は「マイナス」が54.4%で、「影響はない」の28.0%を大きく上回った。駆け込み需要は「現在も今後もない」が52.4%で最多。「既にある」は8.4%、「今後出てくる」も22.5%にとどまった。
 飲食料品などが対象となる軽減税率については「特に対応していない」が49.2%に上った。「既に対応済み」が4.1%、「現在対応中」は17.8%、「これから対応する予定」は19.9%だった。
 仙台支店は「コスト増への不満、税制の複雑さによる現場の混乱が企業から多く聞かれた。行政は丁寧な説明や支援を行うことが必要だ」と指摘した。
 調査は6月下旬、東北の1475社を対象に実施し、658社(44.6%)が回答した。

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