東北企業5月の売上高、前年割れ79.9% コロナの影響拡大

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月の売上高が前年同月を下回った東北の企業が79.9%に達したことが19日、東京商工リサーチ東北支社の調査で分かった。4月の売上高について聞いた前回調査(4月下旬~5月中旬)より5.0ポイント悪化。感染拡大防止に向けて提唱された「新しい生活様式」が業績にマイナスの影響を与えると考える企業は4割超に達した。
 4月の売上高が前年同月の半分に届かなかった企業は、前回比3.3ポイント悪化の14.1%だった。一方、前年同月を上回った企業は20.1%あった。
 企業活動に「既に影響が出ている」と答えたのは73.0%で、前回より4.8ポイント増加。業種別では、オフィス需要の減少や家賃の減額などで不動産業が最多の83.9%だった。小売業が82.9%、宿泊業や飲食業を含むサービス業他が80.7%と続いた。
 新しい生活様式が業績に与える影響に関して「マイナスの影響がある」と答えた企業は42.6%。「どちらともいえない」も53.8%に上り、新様式に適応する事への不安がにじんだ。
 セーフティーネット貸し付けなど、政府の金融支援策を利用した企業は22.7%(前回比14.1ポイント増)で急増。東北支社は今後も増えるとみている。
 東北支社の担当者は「国の第2次補正予算に(返済の優先順位が低い)劣後ローンによる資本支援が盛り込まれた。雇用や経済活動を考え、企業が生き残るための公的支援を続けてほしい」と話した。
 調査は5回目。インターネットを通じて5月28日~6月9日に全国で実施。東北の有効回答は1376社だった。

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