大東建託(東京)が東北6県の住民に聞いた自治体別の「街の住みここちランキング2020」で、富谷市が東北トップになった。東根市が2位、仙台の全5区が10位以内にランクインした。
上位10自治体と評点は表の通り。設問は交通と生活の利便性、行政サービスの充実、治安の良さなど約60項目。満足度が高い方から2~マイナス2の5段階で評価した。ランキングは19年分も合わせて計約2万人の総合評価の平均値を集計した。
全5区が10位以内に入った仙台は、大型マンションの供給が相次ぎ、都心へのアクセスが良い太白区や宮城野区の人気が高かった。
富谷、東根、名取、天童、青森県おいらせの5市町は新興住宅地の発展や大型商業施設の進出で、交通の要衝にもなっている。
上位50位には宮城県の18市区町が入った。岩手、福島、秋田各県のトップは盛岡市11位、本宮市16位、秋田市34位だった。
宮城以外の県庁所在地の評価が低い理由について、同社賃貸未来研究所の宗健所長は、中心市街地の空洞化を一因に挙げ、「若い世代を中心に郊外の広い一戸建てで暮らし、車で移動する生活が好まれている」と分析した。
宮城県の駅別ランキングも発表。1位は2年連続で広瀬通を含む勾当台公園グループ(市地下鉄南北線)だった。2位長町1丁目(同)、3位長町(JR東北線)と続いた。
新型コロナウイルスによる住宅市場への影響について、宗所長は「国内でテレワークは2割しか進んでいない。郊外への住み替えも予想できるが、逆に勤務地に近い都心の需要もあり、ランキングの傾向は変わらない」と話した。