東北倒産、上半期6割増 コロナ融資返済始まり資金繰り厳しく

東京商工リサーチ東北支社が6日発表した東北の2022年上半期(1~6月)の企業倒産状況(負債額1000万円以上)によると、件数は前年同期比59・8%増の171件だった。負債総額は81・8%増の232億6000万円。新型コロナウイルス禍に伴う実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が始まり、資金繰りが厳しくなっている状況がうかがえる。

 県別は表の通り。件数は全県で増加した。負債額は青森を除く5県で増加。特に岩手は前年同期の5・0倍となった。

 業種別では、東日本大震災の復興需要が一巡した建設業が2・3倍の40件で最多。飲食業などのサービス業他が39件、卸売業が27件で続いた。燃油価格高騰の影響を受ける運輸業が10件と増加傾向を示した。

 原因別では販売不振が107件と全体の62・6%を占めた。従業員数別は5人未満が107件、5人以上10人未満24件、10人以上20人未満23件と続いた。

 負債額別は1000万円以上5000万円未満が38・4%増の72件で、全体の4割強を占めた。1億円以上5億円未満が2・7倍の61件で続き、中規模の倒産が目立ってきている。

 10億円以上の大型倒産は、給食サービス受託の三晶(多賀城市、10億円)の1件だった。

 東北支社は「ゼロゼロ融資の返済が始まり、返済原資の捻出に苦しむ企業が増えている。物価高の上昇圧力が続くが、中小企業の価格転嫁は難しく、倒産がさらに増える可能性が現実味を帯びてきた」と話す。

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