東北6県の商工会議所などでつくるPR組織「東北夏祭りネットワーク」が来月、組織を大幅に拡充する。東北新幹線の全線開業などを機に、東北の祭り同士の連携を強化。加盟する夏祭りはこれまでの6から35前後へと、5倍の規模になる見通しだ。東北で大型観光キャンペーンを予定するJR東日本との連携強化も検討しており、国内外で「夏祭りの東北」を一体的にPRし、観光客の一層の拡大につなげる。
ネットワークは昨年2月に結成され、青森ねぶた、盛岡さんさ踊り、仙台七夕、秋田竿燈、山形花笠、福島わらじの六つの夏祭りを共同でPRしてきた。
新たに参加を見込むのは黒石よされ、五所川原立佞武多(たちねぷた)、北上市のみちのく芸能まつり、大仙市の全国花火競技大会、新庄まつり、相馬野馬追など。来月3日、青森市で開かれる「全国商工会議所観光振興大会」で、各祭りの実行委員会の関係者らが出席者約1000人を前に参加を表明する。
参加団体はポスターやチラシ、ホームページ上で互いに祭りを紹介し合ったり、旅行雑誌で共同PRを展開したりする。JR東日本が実施する大型観光宣伝「青森デスティネーションキャンペーン(DC)」(ことし4~7月)や「いわてDC」(来年4~6月)とも連携し、関連イベントなどで6県全体の祭りを宣伝する方向で検討する。
東北は昨年12月に東北新幹線が全線開業。ことし6月には「平泉の文化遺産」の世界遺産登録が実現する可能性がある。ネットワークは「東北全体をPRし、誘客を図る絶好の機会」と判断し、夏祭りによる誘客策を強化することにした。
呼び掛け役の仙台商議所は「3月には九州新幹線鹿児島ルートが全線開業し、4年後には北陸新幹線が金沢駅まで開業する。ライバルに負けないよう、一丸となって東北観光の魅力をアピールしたい」と強調する。