東北夏祭り人出1.3%増 「復興支援押し上げ」

日銀の仙台、青森、秋田、福島各支店は12日、東北の主な夏祭りの人出をまとめた。14の祭りの合計は前年比1.3%増の1504万6000人となり、2年ぶりに増加した。昨年は東日本大震災の影響で開催内容が縮小されたのに対し、今年は例年規模に戻ったり、復興アピールの新たなイベントが加わったりした効果が表れたとみられる。
 震災前の2010年比では、5.0%減にとどまった。日銀仙台支店の後昌司支店長は「復興支援で東北を訪れる観光客は増えているが、まだ手放しでは喜べない」と話している。
 各地の人出は表の通り。増加したのは、青森ねぶた祭や秋田竿燈まつりなど九つ。相馬野馬追は原発事故の影響で昨年中止された神旗争奪戦が復活し、前年比4.3倍に戻した。
 祭りの実行委員会などに対する聞き取り調査では「(10年12月の)東北新幹線全線開業に伴い、複数の祭りを周遊する観光客が増えた」との意見もあった。
 減少したのは五つ。仙台七夕まつりや盛岡さんさ踊りは曜日配列に恵まれなかった。郡山うねめまつりは復興支援として東京ディズニーリゾートパレードが開催された昨年の反動が出た。
 関連ビジネスについての聞き取りでは「復興支援で地酒やグッズの販売が好調だった」「(3月で)高速道路の無料化が終わり、駅ビルの売り上げが上向いた」などの声が目立った。
 宿泊動向は「九州や関西など遠方客が増加した半面、原発事故の影響から外国人客が見られない」との意見があった。

タイトルとURLをコピーしました