東北大、雨宮地区をイオンに売却 落札額は220億円

東北大は31日、移転を計画している雨宮キャンパス(仙台市青葉区)の売却先を、大規模商業施設開発・運営のイオンモール(千葉市)に決定した。落札額は220億1000万円。2月中に契約を締結し、キャンパスにある農学部・大学院農学研究科棟の解体工事などに着手。2018年2月の引き渡しを目指す。
 売却するのは9.3ヘクタールのキャンパス全体。13年10月7日に売却先決定に向けた一般競争入札を公告し、期限の1月20日までに大手不動産会社など7社が応札した。入札は金額と土地利用計画の総合審査によって行われた。
 売却の条件として東北大は、仙台商工会議所と仙台市を交えた「東北大キャンパス移転まちづくり会議」が、13年4月にまとめた報告書に沿った土地利用を提示した。
 報告書では「医療・福祉・増進健康機能」「商業・生活利便機能」「まちなか居住機能」が一体となった複合市街地を提唱している。
 イオンモールは宮城県内では名取市や富谷町に進出しているが、仙台市内にモール型の店舗はなかった。全国でも医療と商業、住居の3分野を一体開発した事例はなく、新たな事業形態となる。
 同社広報部は「事業の詳細は未定で、今後仙台市と協議を進めたい。立地を考慮すれば、商業施設は都市型のニーズに応えられる性格になるのではないか」と話した。
 雨宮キャンパス南側のボウリング場・スケート場跡地(1.7ヘクタール)は住友不動産(東京)が開発を計画中で、周辺環境が大きく変わりそうだ。
 農学部・大学院農学研究科は、16年度中に青葉山新キャンパス(青葉区)へ移転する。

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