東北大は4月1日、国際法の知見の発信や政策提言を目指す「国際法政策センター」を学内に設置する。開設を記念して23日、同大片平キャンパス(仙台市青葉区)の史料館内にある元国際司法裁判所(ICJ)判事小田滋名誉教授(98)の記念室が報道機関に公開された。
同センターは国際法・国際政治をテーマに国内外の研究者を招いたシンポジウムの開催などを通じて、国際紛争の平和的解決や国際ルール策定への政策提言を行う。
小田氏は海洋法の世界的権威で1950~85年、東北大に在職。76年からは3期27年間、ICJ判事を務め、国際紛争の解決に尽力した。
記念室ではICJの法服や、核兵器使用が国際法に違反するかどうかを小田氏が審理した裁判資料などを展示。小田氏による資料への書き込みなど、審理経過の一端が伝わる貴重な資料もある。
開設記念セミナーも同日あり、元国際刑事裁判所(ICC)裁判官の尾崎久仁子東北大特任教授が講演した。ウクライナ侵攻を巡る戦争犯罪容疑でICCがロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した点にふれ、「容疑の児童連れ去りには明確な証拠があった」などと説明した。